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構造生物学:ヒトVMAT2の輸送と阻害の機構

Nature 626, 7998 doi: 10.1038/s41586-023-06926-4

小胞モノアミントランスポーター2(VMAT2)は、モノアミンの前シナプス小胞中への集積・貯蔵と細胞外への放出を行っており、モノアミン作動性神経伝達に非常に重要な役割を担っている。モノアミン作動システムの機能障害は多くの神経障害や精神障害を引き起こし、その中にはパーキンソン病や多動性障害、うつ病などが含まれる。VMAT2のレセルピンによる抑制は高血圧の症状を、テトラベナジンによる抑制はハンチントン病の症状をそれぞれ軽減する。今回我々は、セロトニンおよび臨床で使われている3種類の薬剤と複合体を形成した、ヒトVMAT2の3.5–2.8 Å分解能でのクライオ電子顕微鏡構造を報告し、その輸送と阻害の構造基盤を示す。レセルピンとケタンセリンは基質結合ポケットを占拠していて、VMAT2をそれぞれ細胞質に面した状態と内腔側に向いた状態に固定している。一方、テトラベナジンはVMAT2特異的なポケットに結合しており、VMAT2を閉塞状態に捕捉している。これら3つの異なる状態での構造からも、VMATの輸送サイクルの構造学的基盤が明らかになった。我々の研究は、VMAT2の基質認識、輸送、薬剤による阻害と薬理学的性質の機構を理解するための構造的基盤を確立するとともに、治療薬候補の合理的設計への手掛かりを明らかにしている。

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