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神経科学:痛がる他者への援助行動の皮質による調節
Nature 626, 7997 doi: 10.1038/s41586-023-06973-x
ヒトも動物も、助けを必要としている他者に対して、さまざまな形の向社会援助行動を示す。これまで、個体が他者の状態を感知する仕組みは調べられてきたが、他者の要求や目標に援助行動で応答する仕組みの神経機構はまだほとんど分かっていない。今回我々は、マウスが、身体的な痛みや傷を持つ他個体に対して、ある種の援助行動をとることを示す。マウスは相手の傷部位に特異的に社会的舐め(allolicking)行動を示し、これを受けた相手が痛みに対処するのを助けるのである。微小内視鏡画像化によって、前帯状皮質(ACC)内の単一ニューロン活動と集団活動が、他者の痛み状態を符号化していること、そして、この神経表現は他者の一般的なストレスの神経表現とは異なっていることが見いだされた。また、機能的操作によって、ACCが、対象に向けた社会的舐めの両方向の制御に因果的な役割を持つことが実証された。特に、この行動はACCで集団符号化されており、一般的な社会的グルーミング(他者の情動的ストレスによって引き起こされる独特なタイプの向社会行動)の符号化とは異なっていることは重要である。今回の知見は、援助行動の神経符号化と調節についての理解を前進させるものである。

