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バイオインフォマティクス:細胞タイプに合わせた合成エンハンサーの設計

Nature 626, 7997 doi: 10.1038/s41586-023-06936-2

転写エンハンサーはさまざまな組み合わせの転写因子の結合場所として働き、それによって転写因子の標的となる遺伝子の活性化を時間的空間的に調節している。エンハンサーの調節原理を解読して、遺伝子の時間的空間的発現の仕方の詳細がエンハンサーの塩基配列にどのように書き込まれているかを解明することは、長年にわたってこの分野の目標であった。今回我々は、深層学習モデルを用いれば、ランダムな塩基配列から出発して細胞型特異的な合成エンハンサーを効率よく設計でき、この最適化過程によって、エンハンサーの特性を単一ヌクレオチドの分解能で詳細に追跡できることを明らかにする。そして、トランスジェニック動物を使って、ショウジョウバエ脳のケニヨン細胞あるいはグリア細胞を特異的に標的とする、完全合成エンハンサーの機能を評価した。さらに、エンハンサーの設計をうまく行って、2つの細胞型を標的とする「二重暗号」エンハンサーと、50塩基対未満だが完全な機能を持つ最小エンハンサーを作成した。そして、局所最適化に向けた状態空間検索結果を調べることにより、転写因子アクチベーターと転写因子リプレッサーのモチーフの強度、組み合わせと配置を介して、エンハンサー暗号の性質を明らかにした。また、同様の戦略を応用して、ショウジョウバエのエンハンサーの場合と同様なエンハンサーの規則に従うヒト・エンハンサーの設計にも成功した。深層学習を指針とするエンハンサー設計によって、エンハンサーが働く仕組みがより深く理解され、その暗号を活用して細胞の状態を操作できることが明らかになった。

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