量子情報:再構成可能な原子アレイに基づく論理量子プロセッサー
Nature 626, 7997 doi: 10.1038/s41586-023-06927-3
誤りの抑制は、有用な量子コンピューティングにおける中心的課題であり、大規模処理には量子誤り訂正(QEC)が必要である。しかし、誤り訂正「論理」キュービットの実現では、冗長性を持たせるために多くの物理キュービットにまたがって情報が符号化されるため、そのオーバーヘッドが大規模な論理量子コンピューティングへの大きな課題となる。本論文で我々は、最大280個の物理キュービットを用いて動作する、符号化された論理キュービットに基づくプログラマブル量子プロセッサーの実現について報告する。今回のシステムは、論理レベル制御と、再構成可能な中性原子アレイにおいて区画化されたアーキテクチャーを用いることで、2キュービットゲートの高い忠実度、任意の接続性に加え、完全にプログラム可能な1キュービット回転と中間回路読み出しを兼ね備えている。我々は、この論理プロセッサーをさまざまなタイプの符号化を用いて動作させて、表面符号距離をd = 3からd = 7に拡張することによる2キュービット論理ゲートの改良、ブレークイーブン忠実度でのカラーコードキュービットの作製、論理グリーンバーガー–ホーン–ツァイリンガー(GHZ)状態のフォールトトレラントな生成、フィードフォワードエンタングルメントのテレポーテーション、そして、40個のカラーコードキュービットの動作を実証した。さらに我々は、3D[[8,3,2]]コードブロックを用いて、228個の論理2キュービットゲートと48個の論理CCZゲートのハイパーキューブ接続でエンタングルした最高48個の論理キュービットによる、回路計算量の大きいサンプリング回路を実現した。我々は、この論理符号化によって、誤り検出を伴うアルゴリズム性能が大幅に向上し、交差エントロピーのベンチマークと高速スクランブリングの量子シミュレーションの両方で、物理キュービットの忠実度を上回ることを見いだした。今回の結果は、初期の誤り訂正量子計算の到来を告げ、大規模論理プロセッサーへの道筋を示すものである。

