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進化遺伝学:自然雑種の複合体Iにおける致死的なミトコンドリアと核間の不和合性

Nature 626, 7997 doi: 10.1038/s41586-023-06895-8

生殖障壁の進化は新種形成の第一段階であり、地球上の生物の多様化に関する理解の助けとなり得る。こうした生殖障壁は、異なる2種に由来する対立遺伝子が雑種内で適切に相互作用できなくなる、雑種不和合性の形をとることが多い。理論的には、雑種不和合性は急速に進化している遺伝子で生じやすく、複数の遺伝子が関わる不和合性が一般的であるはずだと予測されているが、これらの予測を評価するための実験データは少ない。本論文で我々は、自然交雑するソードテール属の魚類2種の呼吸複合体Iの中で、産物であるタンパク質が物理的に接触している3遺伝子が関わる、ミトコンドリアと核間の不和合性について報告する。不適合なタンパク質の組み合わせがホモ接合である個体は、胚発生が完了しなかったり幼生の段階で死んだりする一方、不和合性がヘテロ接合である個体は、複合体Iの機能が低く、ミトコンドリアのプロテオームで親の対立遺伝子の表れ方に偏りが見られた。異なる遺伝子相互作用が生存に及ぼす影響は非相加的であることが見いだされ、雑種不和合性の遺伝的構造の捉えにくい複雑さが明らかになった。さらに我々は、関与する遺伝子の進化史を立証し、高速化した進化を示すシグナルと、不和合性が交雑によって種間で受け渡されてきたことを示す証拠を提示する。

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