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進化学:大型類人猿ギガントピテクス・ブラッキーの絶滅

Nature 625, 7995 doi: 10.1038/s41586-023-06900-0

霊長類としては史上最大で、東南アジアの大型動物相でも最大級の動物であったギガントピテクス・ブラッキー(Gigantopithecus blacki)は、約200万年前から中国に生息していたが、中期更新世の後半に絶滅した。アジアにおいて過去260万年間に絶滅した大型類人猿は数少なく、オランウータンなどの他の類人猿が現在まで生き延びていることを考えると、ギガントピテクスの絶滅は不可解である。ギガントピテクスが姿を消した原因はいまだ解明されていないが、それが明らかになれば、この地域の霊長類の復元力や大型動物相の運命について手掛かりが得られる可能性がある。今回我々は、中国南部の22の洞窟に対して3種類の学際的解析(年代、過去の環境、行動)を適用した。そして、6種類の年代測定技術により得られた157の放射年代を用いて、ギガントピテクス絶滅の時系列を明らかにした。我々は、230万年前以降の環境は森林と草原のモザイクであり、これがギガントピテクスの個体群の繁栄に理想的な条件であったことを示す。しかし、29万5000~21万5000年前とされる絶滅時期の直前およびその間は、季節性の増大に伴って環境の変動が大きくなり、これによって植物群落の変化や疎林環境の拡大が引き起こされた。近縁であるオランウータンの一種Pongo weidenreichiは、こうした変動に食餌の選好性や行動を何とか適応させたが、ギガントピテクスには慢性的なストレスと個体群縮小の兆候が認められた。最終的に、その適応への苦闘によって、地球史上最大の霊長類は絶滅を遂げた。

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