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分子生物学:生物の遺伝暗号にα,α-二置換単量体とβ-結合単量体を付け加える

Nature 625, 7995 doi: 10.1038/s41586-023-06897-6

生きている細胞の遺伝暗号を再プログラム化することで、数百に及ぶ非カノニカルなアミノ酸をタンパク質に部位特異的に組み込むことや、非カノニカルアミノ酸の重合体、大環状ペプチドやデプシペプチドをコード化して合成することが可能になっている。遺伝暗号の拡張と再プログラム化には、直交性のアミノアシルtRNAシンテターゼを操作して新しい単量体をアシル化することが必要だが、そのための現在の方法は翻訳による読み取りに依存しているため、新しい単量体がリボソームの基質になることが必要である。直交性のシンテターゼは、リボソームの基質になりにくい非カノニカル単量体(ncM)と結合した直交性tRNAをアシル化するように進化させることができないし、リボソームの方はアシル化されて直交性tRNAに結合することできないncMを重合させるように進化させることができない。つまり、この共依存性がデッドロックとなって進化を行き詰まらせていて、生きた細胞で起こる翻訳の範囲を本質的にα-L-アミノ酸とそれによく似たヒドロキシ酸に限定している。今回我々は、tRNAディスプレイ法を開発することでこの行き詰まりを打開した。この方法を大腸菌(Escherichia coli)で使えば、ncMがリボソームの基質になるかどうかにかかわらず、対応する直交性tRNAを選択的にアシル化してncMを結合させる直交性シンテターゼを直接かつ迅速に選択でき、スケールアップも可能である。このtRNAディスプレイ法を使い、8種類の非カノニカルアミノ酸と8種類のncM(複数のβ-アミノ酸、α,α-二置換アミノ酸、β-ヒドロキシ酸を含む)によって対応する直交性tRNAを特異的にアシル化できる直交性シンテターゼを直接選び出した。我々はこのような改良法によって、細胞内のタンパク質にβ-アミノ酸とα,α-二置換アミノ酸を遺伝暗号に基づいて部位特異的に組み込めることを実証し、遺伝暗号の化学的な幅を新しいクラスの単量体にまで拡張した。

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