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進化学:酸素発生型光合成の直接証拠となる、化石細胞に見いだされた最古のチラコイド

Nature 625, 7995 doi: 10.1038/s41586-023-06896-7

酸素発生型光合成は現在、シアノバクテリアと、それらに近縁で真核生物細胞内に存在する色素体に固有のものである。酸素発生型光合成の大酸化事変以前の起源についてはいまだ議論があるが、酸素(O2)の蓄積は、地球の酸化還元化学や生物圏(複雑な生命体を含む)の進化を著しく変化させた。そのため、シアノバクテリアの多様化を理解することは、地球と生命体の共進化の理解に極めて重要だが、それらの初期の化石記録は今なお不明瞭である。現生のシアノバクテリアには、チラコイドを持たないグロエオバクター属(Gloeobacter)様のものと、チラコイド膜を獲得したそれ以外のものが存在する。これらが分岐した時期は、分子時計と系統発生に基づいて間接的に27億~20億年前と推定されるとともに、議論の余地のない最古の化石記録である、珪化したストロマトライトに保存されていた20億1800万~18億5400万年前のプレウロカプサ類シアノバクテリアの一種Eoentophysalis belcherensisから推測されている。本論文で我々は、オーストラリアのTawallah層群McDermott層(17億8000万~17億3000万年前)から得られた謎めいた円柱状の微化石Navifusa majensis中の平行ないし回旋状に並んだ配置、そして、カナダのShaler超層群Grassy Bay累層(10億1000万~9億年前)から得られた試料中の側壁状に並んだ配置において、チラコイド膜の存在を示す最古の直接証拠を報告する。今回の発見は、チラコイド膜の化石記録の年代を少なくとも12億年さかのぼらせるもので、チラコイドを有するシアノバクテリアの分岐が遅くとも約17億5000万年前であったことを示している。これにより、初期の酸素発生型光合成生物と、地球の初期の生態系を調べるための新たな酸化還元代理指標が明確に見いだされ、化石細胞の超微細構造を調べてその古生物学的特性と初期進化を読み解くことの重要性が明らかになった。

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