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細胞生物学:MRE11は、腫瘍発生時にヌクレオソームに隔離されたcGASを解放する
Nature 625, 7995 doi: 10.1038/s41586-023-06889-6
がん遺伝子が誘発する複製ストレスは内在性DNA損傷を生じさせ、これがcGAS–STINGを介したシグナル伝達を活性化し、腫瘍を抑制する。しかし特に、cGASの高親和性でのヒストン酸性パッチ(AP)との結合により、二本鎖DNA(dsDNA)によるcGAS活性化は立体的に妨げられ、cGASは構成的に抑制されることを考えると、内在性DNA損傷によるcGAS活性化の正確な機構は不明である。今回我々は、DNA二本鎖切断センサーであるMRE11が、cGAS活性化の調節に重要な役割を果たすことにより、乳がん発生を抑制していることを報告する。酸性パッチによる隔離からcGASを引き離すには、MRE11–RAD50–NBN複合体のヌクレオソーム断片への結合が必要であり、それによってcGASは動けるようになり、dsDNAによる活性化が可能になることを明らかにする。従って、発がんストレス、細胞質ゾルdsDNA、電離放射線に応じたcGAS活性化には、MRE11が不可欠である。さらに、MRE11に依存したcGAS活性化は、発がん性増殖と乳がん発生の抑制に不可欠な、ZBP1–RIPK3–MLKLを介したネクロトーシスを促進する。注目すべきは、ヒトのトリプルネガティブ乳がんにおけるZBP1の発現低下は、ゲノム不安定性の上昇、免疫抑制、患者の予後不良と関連していることである。これらの知見は、MRE11がDNA損傷とcGAS活性化を結び付ける重要なメディエーターであり、ZBP1に依存したネクロトーシスを介して腫瘍を抑制していることを明らかにしている。

