社会科学:誤情報を評価するためのオンライン検索によりその情報は真実と認識されやすくなる
Nature 625, 7995 doi: 10.1038/s41586-023-06883-y
オンライン上の誤情報への信頼を理解することに少なからぬ学術的関心が向けられており、特にソーシャルネットワークに焦点が合わせられている。しかし、情報の真実性を評価するためのオンライン検索の使用はメディアリテラシー介入の中心的要素であるにもかかわらず、情報環境における検索エンジンの主要な役割についてはまだあまり調べられていない。社会通念では、誤情報を評価する際にオンライン検索を行うと、その情報に対する信頼が低下すると示唆されているが、この主張を評価する実験的証拠はほとんどなかった。今回我々は、5つの実験により、虚偽のニュース記事の真実性を評価するためにオンライン検索を行うと、実際にはそれらを信じる確率が高まることを示す、一貫性のある証拠を得た。この関係性を明らかにするために、我々は調査データと、ブラウザのカスタム拡張機能を用いて収集されたデジタル追跡データを組み合わせた。その結果、このような検索の影響は、検索エンジンが低品質の情報を返した個人に集中していることが分かった。我々の結果は、誤情報を評価するのにオンライン検索を行う人には、データの空白(data void)、つまり低品質の情報源に由来する補強証拠が存在する情報空間に陥るリスクがあることを示している。また、ニュースを評価するためにオンライン検索を行うと、低品質の情報源により真実のニュースに対する信頼が高まるという一貫性のある証拠が見つかったが、主流の情報源により真実のニュースに対する信頼が高まるという証拠には一貫性がなかった。我々の知見は、メディア・リテラシー・プログラムが実験で試験された戦略に基づいて推奨を行う必要性と、検索エンジンが今回特定された課題の解決に投資する必要性をはっきりと示している。

