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構造生物学:プロモーターと結合した呼吸器合胞体ウイルスポリメラーゼの構造
Nature 625, 7995 doi: 10.1038/s41586-023-06867-y
呼吸器合胞体ウイルス(RSV)ポリメラーゼは多機能のRNA依存性RNAポリメラーゼで、大型のLタンパク質(L)とリン酸化タンパク質(P)からなる。この酵素は、RNAゲノムを転写して10個のウイルスmRNAを作り出し、次いで完全長のウイルスゲノムRNAとアンチゲノムRNAを複製する。RSVポリメラーゼは、ゲノムもしくはアンチゲノムの保存された3′末端RNAプロモーターへ結合することでRNA合成を開始する。しかし、RNAプロモーターに結合したRSVポリメラーゼの構造は得られておらず、このことがRSVのRNA合成機構の理解を妨げてきた。今回我々は、RSVポリメラーゼについて、そのゲノムおよびアンチゲノムウイルスRNAプロモーターに結合したクライオ電子顕微鏡構造を報告する。これらの構造は、非分節マイナス鎖RNAウイルス中でそのRNAプロモーターと複合体を形成したRNA依存性RNAポリメラーゼの最初の2つの構造を表している。プロモーターと結合したRSVポリメラーゼの全体的な構造は、何も結合していない(アポ)ポリメラーゼの構造と類似している。我々の構造から、RSVポリメラーゼとRNAプロモーター間の相互作用が明らかになり、RSVプロモーターの1番目と3番目の位置でのRNA合成開始のための構造基盤が示された。これらの構造は、RSVポリメラーゼの開始前状態についての理解を進め、RSVに対する抗ウイルス研究に役立つだろう。

