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化学:複雑なカチオン転位の結果の計算による予測

Nature 625, 7995 doi: 10.1038/s41586-023-06854-3

近年、コンピューター支援有機合成への関心が再び高まっている。多段階合成経路を計画できる反応ネットワークアルゴリズムやニューラルネットワークアルゴリズムの使用は、高度な天然物につながる例を含め、この分野に革命をもたらしている。そうした方法は通常、文献から得られた完全な「基質から生成物まで」の反応法則に基づいて実施され、反応機構の解析には容易に拡張できない。今回我々は、量子力学計算や速度論計算だけでなく物理有機化学の法則によっても拡張された、機構の段階に関する包括的な知識ベースを備えたコンピューターが、反応ネットワークの手法を用いて、最も複雑な有機変換の1つ、すなわちカチオン転位の機構を解析できることを示す。そうした転位は、有機化学の教科書の基礎であり、分子の炭素骨格における顕著な変化を伴う。我々がhttps://HopCat.allchemy.net/において説明・展開しているアルゴリズムは、可能な機構段階のネットワークを数分以内で生成し、妥当性の高い一連の段階を追跡し、予想される生成物分布を計算する。我々は、(1)構造の詳細がわずかに異なるモジュール前駆体に、大きく異なる結果が符号化されたtail-to-head型テルペン(THT)環化の結果の予測、(2)溶液中や超分子カプセル中でのTHT環化の結果の比較、(3)複雑な反応混合物の解析という、熟練した化学者でもおそらく解析が困難であると思われる3組の実験によって、このアルゴリズムを検証した。今回の結果は、コンピューターがもはや既知の反応タイプを扱うだけではなく、機構的に複雑な新しい変換の合理化と発見に役立つという見通しを裏付けている。

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