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進化遺伝学:アフリカにおけるバントゥー諸語話者の拡大の遺伝的遺産
Nature 625, 7995 doi: 10.1038/s41586-023-06770-6
バントゥー諸語の話者の拡大は、後期完新世のアフリカにおける最も劇的な人口統計学的事象であり、これによってアフリカ大陸の言語的・文化的・生物的な全体像が根本から作り替えられた。今回我々は、アフリカのこれまで試料が得られていなかった地域から新たに生成された現代人および古代人のDNAデータを含む、包括的なゲノムデータセットを用いて、アフリカ西部において6000~4000年前に始まったバントゥー諸語話者の拡大についての手掛かりを示す。我々は、アフリカの14カ国にわたる147集団の1526人のバントゥー諸語話者を含む、計1763人の参加者について遺伝子型を決定するとともに、後期鉄器時代の12人から全ゲノム塩基配列を得た。その結果、バントゥー諸語話者集団における遺伝的多様性はアフリカ西部からの距離に伴って低下し、現在のザンビアとコンゴ民主共和国が集団間の相互作用のあった地点である可能性が示された。我々は、空間明示型の方法を用い、遺伝的・言語的・地理的データを相関させることで、移動の連続的創始者モデルの学際的な裏付けを得た。さらに我々は、バントゥー諸語の話者が、移動した先の地域集団からかなりの遺伝子流動を受けたことを示す。今回の遺伝的データセットは、古代DNA研究のための現代アフリカ人の網羅的な比較データセットであり、科学から人文科学までの幅広い分野だけでなく、アフリカ人集団やアフリカ系集団においてヒトの遺伝的多様性や健康を研究する医療分野にとっても重要になるだろう。

