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物性物理学:スピン超固体候補Na2BaCo(PO4)2における巨大磁気熱量効果
Nature 625, 7994 doi: 10.1038/s41586-023-06885-w
超固体は、非圧縮性の固体構造を形成すると同時にゼロ粘性の超流動性を示す粒子からなる、物質のエキゾチックな量子状態であり、基礎研究における長年の課題の1つである。4He超固体の最初の報告はアーティファクトであることが分かったが、この興味深い量子物質は、極低温量子気体に関する精力的な研究を促した。それにもかかわらず、凝縮物質における超固体性の実現はいまだに困難である。今回我々は、最近合成された三角格子反強磁性体Na2BaCo(PO4)2に、超固体の量子磁性類似体であるスピン超固体の証拠を見いだした。注目すべきは、スピン超固体性に関連する巨大磁気熱量効果が減磁冷却過程で観測され、これが2つの顕著な谷状領域として現れていて、最低温度は100 mK以下に達していたことである。実験的に決定された一連の臨界磁場が存在するだけでなく、減磁冷却プロファイルも、容易軸ハイゼンベルクモデルを用いた理論シミュレーションと非常に良い一致を示した。中性子回折実験でも、3副格子スピン固体秩序と、スピン超流動性を示す層間非整合性の共存を明らかにすることによって、提案したスピン超固体相の位置の特定に成功した。従って今回の結果は、フラストレートした量子磁性体におけるスピン超固体相の強いエントロピー効果を明らかにするとともに、特にヘリウム不足の根強い懸念という状況において、サブケルビン冷凍における応用に実行可能で有望な道を開くものである。

