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分子生物学:哺乳類の初期発生の間に見られる複製タイミングの出現
Nature 625, 7994 doi: 10.1038/s41586-023-06872-1
生命の全ての界にわたって、DNA複製が遺伝子の継承を可能にしている。DNA複製は、複製タイミング(RT)プログラムとして知られている決まった時間的順序に従って起こり、それによってゲノムが前半複製領域と後半複製領域に区画化される。RTは細胞タイプ特異的であり、ゲノムの核内三次元構造に密接に結び付いていて、エピジェネティックな指紋と考えられている。RTはエピゲノムの維持に重要であるにもかかわらず、哺乳類でRTが発生に応じてin vivoでどのように調節されているかは、これまで研究されていなかった。今回我々は、単一細胞を対象とするRepli-seqを用いて、マウス胚の接合体期から胚盤胞期までのゲノム規模のRTマップを作製した。このデータから、RTは当初は明確に決まっていないが、4細胞期から徐々に決まっていくことが明らかになった。この時期は、AコンパートメントとBコンパートメントの区画化が強化される時期と一致する。また、RTプログラムの精度には転写が寄与していること、AコンパートメントとBコンパートメントのRTの違いは接合子ゲノムの活性化の際のRNAポリメラーゼIIに依存することも明らかになった。これらのデータは、核内構造の確立が明確なRT特性の獲得に先立って起こり、ゲノムを前半複製領域と後半複製領域へと区画化する準備を整えることを示している。これらの知見によって、哺乳類の発生開始時におけるエピゲノム確立の仕組みが解明され、ゲノム構造の組織化原理が明らかになった。

