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化学:脂肪族炭化水素の触媒的不斉カチオン転位

Nature 625, 7994 doi: 10.1038/s41586-023-06826-7

不斉触媒反応は化学合成の先進領域であるが、潤沢に入手可能な脂肪族炭化水素の取り扱いは困難であることが知られている。通常、不斉触媒との効率的な相互作用を促進するため、基質や試薬にはヘテロ原子や芳香族部分構造が必要となる。最近、小さい不活性な基質の制御を特に可能にするために、反応ポケットを持つかさ高い酸触媒が均一系不斉触媒反応のツールとして導入されている。しかし、基質と生成物が共に脂肪族炭化水素である場合の不斉反応は、そうしたかさ高い強酸を用いても、これまで触媒されたことはなかった。今回我々は、イミドジホスホリミダートによって触媒され、優れた位置選択性とエナンチオ選択性で進行する、脂肪族アルケニルシクロアルカン類からシクロアルケン類への不斉ワーグナー・メーヤワイン転位反応について報告する。脂肪族炭化水素を用いるワーグナー・メーヤワイン転位反応には、ワーグナーとメーヤワインによって最初に報告されたものを含め、長い歴史があり、化学合成や生合成との関連性が高いにもかかわらず、これまでは不斉触媒反応が適用できていなかった。

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