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微生物学:トキソプラズマ原虫のネコ限定的な有性生殖の前段階をin vitroで作り出す

Nature 625, 7994 doi: 10.1038/s41586-023-06821-y

トキソプラズマ原虫(Toxoplasma gondii)の有性生殖は、ネコ科動物の腸内に限定的であり、ネコをモデル動物として使うことに倫理的な懸念があるため、ほとんど解明されていない。この寄生性原虫の多段階の生活環の中で、その発生運命はクロマチン修飾因子によって決定されるが、これらの因子による段階特異的なシストロームの標的化については、ほとんど報告がない。今回我々は、急性トキソプラズマ症の特徴であるタキゾイト期では、転写因子AP2XII-1とAP2XI-2が働いて、メロゾイト(その後の有性段階への拘束やヒトを含む次の宿主への伝播に重要な発生段階)に必要な遺伝子をサイレンシングしていることを明らかにする。これらの因子を条件的かつ同時に枯渇させると、転写プログラムに著しい変化が起こり、タキゾイトからメロゾイトへと完全な移行が促進された。in vitroで培養したこれらの配偶子前駆体は、固有のタンパク質マーカーを持ち、典型的な無性性の内生多分裂サイクルを行う。タキゾイトでは、AP2XII-1とAP2XI-2はヘテロ二量体としてメロゾイトプロモーターのDNAに結合し、MORCとHDAC3を誘導して、クロマチン接近可能性と転写を制限する。従って、メロゴニーへの拘束は、AP2XII-1とAP2XI-2によって調整される大規模なエピジェネティック再配線が原因で起こる。in vitroでのメロゾイト産生の成功により、今後はネコへの感染を必要とせずにトキソプラズマ原虫の有性的発生の研究を行う道が開け、原虫の伝播を防ぐ治療法の開発につながると期待される。

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