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免疫学:サイトカインに対する免疫応答の単一細胞解析レベルの辞書

Nature 625, 7994 doi: 10.1038/s41586-023-06816-9

サイトカインは免疫系における細胞間コミュニケーションを仲介しており、重要な治療標的である。多くの研究によって免疫機能にサイトカインが果たす中心的な役割が明らかにされているが、個々のサイトカインに対する各免疫細胞タイプの細胞応答についての全体的な考察はまだない。このような欠落に取り組むために、今回我々は「免疫辞書(Immune Dictionary)」を作製した。これは、in vivoのマウスリンパ節で、86種類のサイトカインのそれぞれに対して応答した17種類以上の免疫細胞(サイトカイン–細胞タイプの組み合わせは1400を超える)の単一細胞トランスクリプトームプロファイルの一覧である。この辞書をサイトカインを中心に置いて見ると、ほとんどのサイトカインが高度に細胞タイプ特異的な応答を誘導することが明らかになった。例えば、炎症性サイトカインであるインターロイキン1βは、ほぼ全てのタイプの細胞で異なる遺伝子プログラムを誘導する。また、この辞書を細胞タイプを中心に置いて見たところ、サイトカインによって引き起こされる細胞極性化状態が免疫細胞タイプ全体で66以上見つかった。その中には、インターロイキン18によって誘導される多機能状態のナチュラルキラー細胞など、これまで特徴が知られていなかった細胞状態が含まれる。この辞書を基盤として、我々は遺伝子発現データからサイトカイン活性と免疫細胞の極性化を評価するためのコンパニオンソフトウエアである「IREA(Immune Response Enrichment Analysis)」を開発し、これを適用することで、免疫チェックポイント阻害療法後の腫瘍中のサイトカインネットワークを明らかにした。我々の辞書は、サイトカインの機能について新しい仮説をもたらし、サイトカインの多面発現効果を明らかにし、個々の免疫細胞タイプの活性化状態についての知識を広げるとともに、どんな免疫応答であっても特定のサイトカインや細胞間コミュニケーションネットワークの役割を推定するための枠組みを示している。

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