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神経変性:前頭側頭葉変性症におけるTAF15アミロイド繊維

Nature 625, 7994 doi: 10.1038/s41586-023-06801-2

前頭側頭葉変性症(FTLD)は、アルツハイマー病の次に最も多い認知症の形態である前頭側頭型認知症(FTD)を引き起こし、運動障害を伴うことも多い。FTLDの病理学的特徴は、特定のタンパク質が異常凝集したニューロン内封入体である。ほとんどの場合、封入体にはTDP-43(TAR DNA-binding protein 43)またはタウのアミロイド繊維凝集体が含まれ、独特の繊維構造が異なるFTLDサブタイプを特徴付けている。残り約10%のFTLD症例では、アミロイド繊維の存在や、それらのアイデンティティーと構造は分かっていないが、FUS(fused in sarcoma、別名translocated in liposarcoma)タンパク質から構成されると広く考えられている。そのため、これらの症例は一般にFTLD–FUSと呼ばれる。今回我々は、クライオ電子顕微鏡(cryo-EM)を用いて、FTLD–FUS患者4人の前頭前皮質および側頭皮質から抽出したアミロイド繊維の構造を決定した。その結果、意外にも、FUSそのものよりも、FUSホモログのTAF15(TATA-binding protein-associated factor 15、別名TATA-binding protein-associated factor 2N)のアミロイド繊維が豊富であることが明らかになった。この繊維の折りたたみは、TAF15の低複雑性ドメイン(LCD)中の第7〜99残基から形成され、個人間で同一だった。さらに、上位運動ニューロンと下位運動ニューロンの病変を持つ患者2人の運動皮質と脳幹に、同じ折りたたみを持つTAF15繊維が見つかった。FTLDにおける特徴的な折りたたみを持つTAF15アミロイド繊維の形成は、神経変性疾患におけるTAF15プロテイノパチーを立証している。TAF15アミロイド繊維の構造は、神経変性疾患のモデル系開発のための基礎になるとともに、TAF15プロテイノパチーを標的とする診断および治療ツールの設計のための基礎となる。

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