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細胞生物学:ゼブラフィッシュにおける活性なWnt5b–Ror2複合体のサイトネームを介した輸送

Nature 625, 7993 doi: 10.1038/s41586-023-06850-7

化学的シグナル伝達は、胚の細胞同士がコミュニケーションを取るための主要な手段である。その基盤となる原理では、リガンドを産生する細胞群と、リガンドに対する適切な受容体を発現しているためにこのシグナルに応答する細胞群がある、としている。ゼブラフィッシュ胚では、Wnt5bが受容体Ror2に結合して、Wnt–平面内細胞極性(PCP)シグナル伝達経路の引き金を引き、組織の極性と細胞の移動を調節する。しかし、この脂溶性リガンドが、供給源の細胞から水性の細胞外空間を通って標的組織へと運ばれる仕組みは、まだ解明されていない。今回我々は、Wnt5bがRor2と共に、サイトネームと呼ばれる長い突起に積み込まれることを示す証拠を提示する。さらに我々のデータから、活性なWnt5b–Ror2複合体が産生細胞中で形成され、これらサイトネームから受容細胞へと受け渡されることが示唆された。その結果、受容細胞はRor2受容体の機能的状態に関係なく、Wnt–PCPシグナル伝達を開始できるようになる。また組織レベルでは、活性なWnt5b–Ror2のサイトネーム依存的な拡散が、ゼブラフィッシュ原腸胚における収斂と伸長に影響することも明らかになった。サイトネームを介したリガンド–受容体複合体の輸送は、パラクリンシグナル伝達の不可欠な機構であると考えられる。この知見は、受容体の発現だけに基づいてシグナルに応答する組織と応答しない組織を判断するという従来の考え方を見直す契機になるかもしれない。

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