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化学:光に駆動されるエナンチオ選択的な酵素的ラジカルアシル化

Nature 625, 7993 doi: 10.1038/s41586-023-06822-x

酵素は、高い立体選択性を実現する優れた触媒であると認識されているが、それらがフリーラジカルの反応性と立体誘起を制御する能力については化学触媒に後れを取っている。チアミン二リン酸(ThDP)依存性酵素は、N-ヘテロ環カルベン(NHC)の開発に着想を与えた十分評価された系であるが、不斉ラジカル変換においてはまだ実用性が立証されていない。自然は、生物系に害を及ぼし得るラジカルを避ける選択をするため、生体適合性の一般的なラジカル生成機構が欠けている。今回我々は、タンパク質工学と、有機光酸化還元触媒反応との組み合わせを通して、ThDP依存性リアーゼを立体選択的なラジカルアシルトランスフェラーゼ(RAT)として再利用した。光励起有機色素による一電子酸化を通して、酵素と結合したThDP由来ケチルラジカルを選択的に生成した後、高エナンチオ選択的にプロキラルアルキルラジカルとクロスカップリングさせた。この方法によって、アルデヒドと酸化還元活性エステルからさまざまなキラルケトンが合成された(最高97%の鏡像体過剰率〔e.e.〕で35例)。機構的研究によって、これまで困難であったこの二重酵素触媒反応/光触媒反応が独特なThDP補因子と進化可能な活性部位を用いてラジカルを誘導することが明らかになった。今回の研究は、生体触媒反応のレパートリーを広げるだけでなく、酵素を用いてラジカルを制御する特異な戦略をもたらし、既存の化学的手段を補完するものである。

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