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腫瘍免疫学:骨髄中のIL-4シグナル伝達軸は腫瘍形成促進性の骨髄造血を引き起こす

Nature 625, 7993 doi: 10.1038/s41586-023-06797-9

骨髄細胞は抗腫瘍免疫を抑制することが知られている。しかし、骨髄細胞を免疫抑制性状態にする分子ドライバーはよく分かっていない。今回我々は、ヒトとマウスの非小細胞肺がん(NSCLC)病変の単一細胞RNA塩基配列解読を用いて、両方の種で2型サイトカインであるインターロイキン4(IL-4)が、腫瘍に浸潤する単球由来マクロファージ表現型の主なドライバーであると予想されることを見いだした。条件付きノックアウトマウスの一群を用いて、骨髄の初期骨髄前駆細胞ではIL-4受容体であるIL-4Rαの欠失だけで腫瘍量が減少したが、下流の成熟骨髄細胞ではIL-4Rαの欠失は影響がないことが分かった。機序としては、骨髄の好塩基球と好酸球に由来するIL-4が顆粒球-単球前駆細胞に作用して、免疫抑制性で腫瘍促進性の骨髄細胞の発生を転写的にプログラムする。そのため、好塩基球の除去は腫瘍量を大幅に減少させ、骨髄造血が正常化された。次に我々は、PD-1/PD-L1阻害のみでは進行した再発または難治性NSCLC患者で、PD-1/PD-L1チェックポイント阻害とIL-4Rα阻害抗体デュピルマブを併用投与する臨床試験を開始した(ClinicalTrials.gov登録番号NCT05013450)。デュピルマブの追加により、血中循環単球が減少し、腫瘍に浸潤するCD8 T細胞が増加して、患者6人のうち1人では治療の2カ月後に臨床的なほぼ完全奏効が得られた。我々の研究は、がんでの免疫抑制性骨髄造血の制御にIL-4が果たす中心的な役割を明らかにし、ヒトでの免疫チェックポイント阻害のための新規併用療法を明らかにするとともに、がんは原発部位の域を超えた治療戦略を必要とする全身性疾患であることを明確にしている。

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