Perspective

遺伝学:非ゲノムの道:シス調節コード解明に向けたロードマップ

Nature 625, 7993 doi: 10.1038/s41586-023-06661-w

遺伝子発現は転写因子群によって調節されており、これらの転写因子群は共に働いてDNAのシス調節配列を読み取る。この「シス調節コード」は、細胞がDNA塩基配列を解釈して、遺伝子をいつ、どこで、どのくらい発現させるべきかを決める仕組みであり、非常に複雑であることが証明されている。最近、機能的ゲノミクスアッセイや機械学習において規模および分解能が進歩しており、このコードの解読に向けて大きな前進が可能になった。しかし、ゲノム塩基配列のみでモデルを訓練しても、こうしたシス調節コードが解明されることはないだろうと考えられる。相同領域は予測性能の過大評価につながりやすく、また、我々のゲノムは短過ぎて、塩基配列の多様性が不十分であるため、関連するパラメーター全てを学習することはできないからだ。幸いにも、無作為に合成されたDNA塩基配列により、我々のゲノムに存在するよりもはるかに大きな塩基配列空間を検討することができ、また、設計されたDNA塩基配列により、標的としたクエリー配列でモデルを最大限に改善できる。DNAの由来に関係なく、DNAの解釈には同一の生化学原理が使われるため、これらの合成データに基づいて訓練されたモデルはゲノムの活性を予測でき、多くの場合、ゲノムで訓練されたモデルよりも優れている。本論文で我々は、この分野についての展望を示し、また、機械学習と合成DNAを用いた大量並列アッセイの組み合わせによる、シス調節コードの解読に向けたロードマップを提案する。

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