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遺伝学:オーストラリア先住民におけるゲノム構造の多様性の全体像

Nature 624, 7992 doi: 10.1038/s41586-023-06842-7

オーストラリア先住民は、豊かで独特なゲノム多様性を有する。しかし、アボリジニ系やトレス海峡諸島民系は、歴史的にゲノミクス研究の対象となることは少なく、参照データセットにはほぼ完全に含まれていない。この代表性の欠落に取り組むことは、ヒトゲノムの全球的多様性の理解を深めるためにも、また、ゲノム医療における公平な転帰を確実なものにするための前提条件としても極めて重要である。今回我々は、集団規模の全ゲノムロングリード塩基配列解読を適用し、4つの遠隔地先住民コミュニティーについてゲノム構造の多様性のプロファイリングを行った。その結果、大きな挿入・欠失(インデル)バリアント(20〜49 bp;n = 13万6797)、構造バリアント(50 b〜50 kb;n = 15万9912)、コピー数変化領域(> 50 kb;n = 156)が多数明らかになった。バリアントの大部分は、縦列反復配列あるいは散在可動性遺伝因子配列で構成されており(最大90%)、これまでにアノテーションされていないものだった(最大62%)。構造バリアントの大部分はオーストラリア先住民にのみ見られると考えられ(下限推定値12%)、その大半は単一コミュニティーでのみ見つかっていることから、オーストラリア大陸全体のゲノム構造の多様性について包括的なカタログを作製するには、広範かつ詳細な試料採取が必要であることが浮き彫りになった。さらに我々は、ゲノム全体の短い縦列反復配列を調べ、50の既知の疾患座位における対立遺伝子の多様性の特徴を明らかにし、タンパク質をコードする遺伝子内に数百の新規反復配列伸長部位を見いだして、短い縦列反復配列間の多様性と拘束についての独特なパターンを特定した。我々の研究は、オーストラリア内外のゲノム構造の多様性の次元と動態に新たな光を投じるものである。

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