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免疫学:糖尿病では肺の樹状細胞代謝がウイルス感染感受性の基礎となる
Nature 624, 7992 doi: 10.1038/s41586-023-06803-0
糖尿病患者は、インフルエンザウイルスや重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)などによるウイルス性呼吸器感染症に感受性が高く生命に関わるリスクがあるが、その機構についてはまだ不明である。今回我々は、後天性糖尿病と遺伝性糖尿病のマウスモデルで急性肺ウイルス感染を誘導し、高血糖が、肺の樹状細胞(DC)の特定のサブセットにおいて共刺激分子発現、抗原輸送、T細胞プライミングの異常を引き起こして、抗ウイルス適応免疫応答異常や、ウイルス除去の遅延、死亡率の増加を促進することを示す。機構的には、高血糖は、グルコースからアセチルCoAへの切り換えや下流ヒストンアセチル化の増加を特徴とするDC代謝回路の変化を誘導し、全体的なクロマチン変化を引き起こす。続いて、これらの変化により、中心的な抗原提示関連遺伝子群などの重要なDCエフェクターの発現異常が促される。グルコール低下治療とヒストンアセチル化の薬理学的調節はいずれも、DC機能と抗ウイルス免疫を救済した。以上より、肺のウイルス感染時には高血糖による代謝-免疫軸がDCの機能不全を調整していることがはっきりと示され、感染した糖尿病患者において悪化した疾患を軽減する治療に利用できる可能性のある代謝チェックポイントが特定された。

