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健康科学:APS-1やセリアック病の患者における自己免疫性エナメル質形成不全症
Nature 624, 7992 doi: 10.1038/s41586-023-06776-0
エナメル芽細胞は顎の特殊な上皮細胞であり、歯のエナメル質形成に不可欠な役割を担っている。エナメル質形成は、エナメル芽細胞由来の複数のタンパク質に依存していて、これらのタンパク質はヒドロキシアパタイト結晶の足場として機能する。エナメル芽細胞由来のタンパク質の機能喪失は、エナメル質形成不全症と呼ばれる一群のまれな先天性疾患の原因となる。エナメル質形成の異常は、AIRE欠損によって引き起こされる多腺性自己免疫症候群1型(APS-1)の患者や、セリアック病と診断された患者でも見られる。しかし、その原因となる機構は分かっていない。今回我々は、APS-1やセリアック病の患者の大多数では、エナメル芽細胞特異的な複数のタンパク質(胸腺でAIREにより発現誘導される)に対する自己抗体(主にIgAアイソタイプ)が生じていることを示す。これにより、次に中枢性免疫寛容の破綻が引き起こされ、その後、対応する自己抗体が生じて、エナメル質の形成が妨げられる。一方、セリアック病では、そのような自己抗体の産生は、エナメル組織でも発現する腸抗原に対する末梢性免疫寛容の破綻によって引き起こされると考えられる。どちらの疾患も、これまで特定されていなかったタイプのIgA依存性自己免疫疾患の例であり、我々は、これらを総称して「自己免疫性エナメル質形成不全症」と名付ける。

