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構造生物学:微量アミン受容体TAAR1によるメタンフェタミンなどのアミン類の認識
Nature 624, 7992 doi: 10.1038/s41586-023-06775-1
微量アミン関連受容体1(TAAR1)は、9種類の微量アミン受容体からなるファミリーのうち最初に見つかったメンバーで、内在性のβ-フェニルエチルアミン(β-PEA)やメタンフェタミンなどの幅広い生体アミンを認識する役割を担っている。メタンフェタミンは乱用薬物で、ヒトの健康や社会にとって重大な脅威となっている。その脳内での独特な生理的役割から、TAAR1は統合失調症やうつ、薬物嗜癖などの幅広い神経疾患の標的としても注目を集めている。今回我々は、メタンフェタミンおよびβ-PEAに結合したヒトTAAR1–Gタンパク質複合体の構造に加えて、TAAR1選択的アゴニストであるRO5256390、臨床段階にあるTAAR1とセロトニン受容体5-HT1ARに対する二重アゴニストSEP-363856と結合した各複合体の構造を報告する。系統的な変異誘発研究および機能研究と組み合わせることにより、これらの構造から、メタンフェタミン認識の分子基盤とTAAR1や他のモノアミン受容体の間でのリガンド選択性や複合薬理学的性質の基盤となる機構が明らかになった。また、細胞外ループ2の蓋状のヘリックス/ループ構造とリガンド結合ポケット中の水素結合ネットワークが明らかになり、これらはTAAR1でのリガンド認識に寄与している可能性がある。今回の知見は、TAAR1のリガンド認識様式と活性化機構を明らかにするもので、薬物嗜癖などのさまざまな神経疾患のための次世代の治療法開発に役立つと考えられる。

