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量子物理学:量子シミュレーションにおける大規模エンタングルメントの探索
Nature 624, 7992 doi: 10.1038/s41586-023-06768-0
エンタングルメントは量子多体系の際立った特徴であり、量子シミュレーション実験において多粒子数の場合のエンタングルメント構造を明らかにすることは、量子情報科学における基本的な課題である。今回我々は、大規模な部分系に対する簡約密度演算子の有効記述としてのエンタングルメント・ハミルトニアン(EH)に基づいて、エンタングルメントを実験的に調べた。我々は、51個のイオンからなるプログラム可能な量子シミュレーター上で、一次元XXZハイゼンベルク鎖の基底状態と励起状態を準備し、最大20個の格子サイトの部分系に対して、サンプル効率の良いEHの「学習」を実行した。その結果、今回の実験によって、EHの局所構造を示す有力な証拠が得られた。この観測結果は我々の知る限り、BisognanoとWichmannによる場の量子論の基本的な予言を、相関量子物質を表す格子モデルに適合して裏付けた最初の実例である。簡約化された状態はギブス集合の形をとり、エンタングルメントの特徴として空間変動する温度プロファイルを持つ。今回の結果はまた、基底状態から励起状態への遷移に対応した、フォン・ノイマンのエンタングルメント・エントロピーの面積則から体積則へのスケーリングの遷移も示している。我々は、量子優位性の実現に向けて進む中で、今回の知見と方法が、より高い空間次元を含む局所相互作用を伴う多体問題におけるエンタングルメントの解明と理解に幅広く応用できると期待する。

