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遺伝学:遺伝的リスクは初期の2型糖尿病を仲介する調節ネットワークに収束する

Nature 624, 7992 doi: 10.1038/s41586-023-06693-2

2型糖尿病(T2D)は、世界的な罹患や死亡の主な原因の1つであり、インスリンを産生する膵島β細胞の機能不全を特徴とする。T2Dのゲノム規模関連解析(GWAS)によって、非コード領域とβ細胞調節ゲノム領域内に数百のシグナルが見つかっているが、それらの生物学的機構の解明は依然として難しい。今回我々は、疾患を促す初期の事象を特定するために、初期段階のT2Dドナーと対照ドナーについて、膵臓組織の従来の画像化と多重画像化、ソーティングした膵島細胞トランスクリプトミクス、膵島の機能解析を行った。多様な様式を統合することで、初期段階のT2Dの特徴はβ細胞固有の異常であり、こうした異常は遺伝的リスクのシグナルを豊富に含む遺伝子調節モジュールに割り当てられることが分かった。このようなモジュールの1つの中に、β細胞のハブ遺伝子である転写因子RFX6を特定した後、我々は、遺伝的リスクの複数の層が、RFX6によって仲介されるネットワークに収束してβ細胞によるインスリン分泌を低下させることを実証した。ヒトの初代膵島細胞でRFX6を摂動すると、T2D GWASシグナルが豊富な領域でβ細胞のクロマチン構造が変化し、また、集団スケールの遺伝学解析では、遺伝的に予測されるRFX6の発現低下とT2Dリスク増加とが因果的に関連付けられた。複雑な全身疾患の分子機構を理解するには、複数の分子、細胞、器官、個体からのシグナルを統合する必要があるため、GWASデータを用いて他の疾患や形質に対する主要な調節ネットワークやマスターハブ遺伝子の特定と検証を行う上で、この手法は有益な鋳型になると考えられる。

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