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神経科学:成体マウス脳の分子的細胞構築

Nature 624, 7991 doi: 10.1038/s41586-023-06818-7

哺乳類の脳の機能は、さまざまに特殊化した細胞タイプの指定と空間的位置決めに依存する。しかし、細胞タイプの分子的アイデンティティーや、個々の解剖学的構造内におけるそれらの位置については、いまだ完全には知られていない。今回我々は、脳の各構造における細胞タイプの包括的アトラスを構築するため、マウスの脳全体にわたり、ハイスループットの単一核RNA塩基配列解読と、近年開発された、ほぼ細胞レベルの分解能を有する空間トランスクリプトミクス的方法Slide-seqを組み合わせた。これらのデータセットの統合により、各神経解剖学的構造の細胞タイプの組成が明らかになった。細胞タイプの多様性は、中脳、後脳、視床下部で顕著に高いことが分かり、大半のクラスターは、それらを一意的に定義付けるのに少なくとも3つの異なる遺伝子発現マーカーの組み合わせが必要だった。これらのデータを用いて、我々は、各細胞タイプを遺伝学的に利用するための枠組みを開発し、神経ペプチドおよび神経伝達物質のシグナル伝達の特性を包括的に示すとともに、活動調節性遺伝子の発現における領域特異的な特殊化を明らかにし、神経学的・精神医学的な表現型の遺伝率の濃縮を確認した。今回のデータは、オンラインリソースとして利用可能であり(www.BrainCellData.org)、新たな遺伝学的ツールの構築や、脳疾患研究における特定の細胞タイプや回路の優先順位付けなど、神経科学全般で多様な応用が見いだされるだろう。

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