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神経科学:マウス全脳の細胞タイプの高分解能トランスクリプトーム空間アトラス

Nature 624, 7991 doi: 10.1038/s41586-023-06812-z

哺乳類の脳は数百万個から数十億個の細胞からなり、これらの細胞は、特定の空間分布パターンと構造的・機能的特性を有する多数の細胞タイプに組織化されている。本論文で我々は、成体マウス全脳の、包括的な高分解能トランスクリプトーム空間細胞タイプアトラスを報告する。この細胞タイプアトラスは、約700万個の細胞をプロファイリングした単一細胞RNA塩基配列解読(scRNA-seq)のデータセット(約400万個の細胞が品質管理に合格)と、MERFISH(multiplexed error-robust fluorescence in situ hybridization)による約430万個の細胞の空間トランスクリプトームデータセットを組み合わせることで構築された。このアトラスは、階層的に組織化され、入れ子状の4つの分類レベル(34のクラス、338のサブクラス、1201のスーパータイプ、5322のクラスター)に分かれている。我々は、このマウス全脳細胞タイプアトラスを、scRNA-seqおよびMERFISHのデータセットと共に視覚化する、オンラインプラットフォーム「アレン脳細胞アトラス(Allen Brain Cell Atlas)」を提示する。脳全体のニューロンおよび非ニューロンの細胞タイプを系統的に解析することで、各細胞タイプについて、トランスクリプトミクス的アイデンティティーと空間的特異性の間の高度な対応が見いだされた。今回の結果から、異なる脳領域における細胞タイプ構成の独特な特徴、特に脳の背側部と腹側部との二分性が明らかになった。背側部には、比較的少数ながら高度に分岐したニューロンタイプが含まれるのに対し、腹側部には、互いにより密接に関連する数多くのニューロンタイプが含まれる。本研究ではまた、神経伝達物質と神経ペプチドの発現における並外れた多様性と不均一性、そして異なる細胞タイプにおける共発現パターンも明らかになった。さらに我々は、転写因子が細胞タイプ分類の主要な決定要因であることを見いだし、脳の全部位にわたって細胞タイプを決定付ける転写因子の組み合わせコードを特定した。今回のマウス全脳トランスクリプトーム空間細胞タイプアトラスは、ベンチマークとなる参照アトラス、そして、哺乳類脳の細胞的・回路的な機能、発生、進化の統合的な研究のための基礎となる情報資源を確立するものである。

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