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神経科学:マウス全脳の分子的に定義され空間的に分解された細胞アトラス

Nature 624, 7991 doi: 10.1038/s41586-023-06808-9

哺乳類の脳では、数百万個から数十億個の細胞が複雑な相互作用ネットワークを形成して、広範な機能を可能にしている。しかし、細胞のこうした膨大な多様性と精緻な構成こそが、脳機能の分子的・細胞的基盤の理解を妨げている。空間的に分解された単一細胞トランスクリプトミクスにおける近年の進展によって、複数の脳領域を含む複雑な組織について、分子的に定義された細胞タイプの空間構成の体系的なマッピングが可能になっている。とはいえ、全脳の包括的な細胞アトラスはまだ得られていない。今回我々は、MERFISH(multiplexed error-robust fluorescence in situ hybridization)を用いて、成体マウスの全脳にわたる約1000万個の細胞に関して、1100以上の遺伝子のパネルを画像化し、MERFISHと単一細胞RNA塩基配列解読のデータを統合することで、空間的に分解された単一細胞遺伝子発現プロファイリングを全トランスクリプトーム規模で行った。我々はこの手法を用い、マウス全脳の300以上の主要細胞タイプに属する5000以上の転写的に異なる細胞クラスターについて、高い分子的・空間的な分解能を有する包括的細胞アトラスを作製した。このアトラスをマウス脳の共通座標フレームワーク(CCF)に登録することで、個別の脳領域の細胞タイプの組成と構成の体系的な定量が可能になった。我々はまた、異なる細胞タイプ組成と、細胞タイプが漸次変化する空間勾配で特徴付けられる空間モジュールを見いだした。さらに、各細胞について全トランスクリプトーム規模の発現プロファイルを備えた今回の高分解能空間細胞マップから、数百の細胞タイプのペア間での細胞タイプ特異的な相互作用の推論と、これらの細胞間相互作用の分子的な(リガンド–受容体ペアの)基盤や機能的影響の予測が可能になった。今回の結果は、脳の分子的・細胞的な構築に関して多くの洞察をもたらすとともに、健康と疾患における神経回路やそれらの機能不全の機能的研究の基盤を提供するものである。

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