免疫学:FOXP3はマイクロサテライトを認識し、多量体化によりDNAを橋渡しする
Nature 624, 7991 doi: 10.1038/s41586-023-06793-z
FOXP3は、T細胞の中で過剰な炎症と自己免疫の抑制に関わっている制御性T細胞の発生に不可欠な転写因子である。しかし、FOXP3が働く分子機構はまだ明らかになっていない。今回我々は、FOXP3がTnGが反復されているマイクロサテライトに結合した後に、フォークヘッドドメイン(一般に単量体または二量体として機能すると考えられているDNA結合ドメイン)を用いて高次の多量体を形成することを示す。T3G反復配列と複合体を形成したFOXP3のクライオ電子顕微鏡構造から、はしご様の構造が明らかになった。この構造では、2つの二本鎖DNA分子が縦方向に並んで「はしごの支柱」部分となり、5対のFOXP3分子がそれぞれはしごの「段」を形成して、2本の支柱を橋渡ししている。各FOXP3サブユニットは、反復配列内のTGTTTGTを占有していて、その結合方式はフォークヘッドコンセンサスモチーフ(TGTTTAC)に結合したFOXP3と区別できない。段内の界面に生じた変異は、TnG反復配列の認識、DNA間の橋渡しとFOXP3の細胞機能を障害するが、変異はどれもがフォークヘッドコンセンサスモチーフへの結合には影響しない。FOXP3は段の間隔のさまざまな変化を許容可能であり、これがTnG反復様配列に対するin vivoおよびin vitroでの広い特異性の説明となる。FOXP3のオルソログとパラログでは共に、同じようなTnG反復認識とDNA間橋渡しが見られる。従って、これらの知見は転写因子のホモ多量体化とDNA間の橋渡しを含むDNA認識様式を明らかにしており、またマイクロサテライトの転写調節と疾患への関わりを示唆している。

