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微生物学:緑膿菌でのポリン非依存的な蓄積は抗生物質の発見を可能にする
Nature 624, 7990 doi: 10.1038/s41586-023-06760-8
グラム陰性細菌に対する抗生物質の開発は、これらの細菌内に蓄積し得る化合物のタイプがほとんど分かっていないことによって妨げられてきた。緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)には排出ポンプと基質特異的な外膜ポリンが存在することが、この病原菌を特に難しいものとしている。その結果、緑膿菌感染に対する抗生物質の選択肢はほとんどなく、緑膿菌には多くのポリンがあるため、化合物を蓄積させるための一般的な指針が見つかる可能性は低いと考えられる。今回我々は、緑膿菌と大腸菌(Escherichia coli)において、345種類の多様な化合物について、細胞全体での蓄積を評価した。正電荷を持つ特定の化合物は、どちらの細菌種にも浸透するが、緑膿菌では大腸菌よりも蓄積が制限される。計算解析から、形式電荷や正の極性表面積、水素結合ドナー表面積など、緑膿菌での蓄積と特異的に相関する小分子の明確な物理化学的特性が明らかになった。取り込み様式の研究により、ほとんどの小分子がポリン非依存的経路を用いて緑膿菌に浸透することが明らかになり、従って、今後の抗生物質開発に重要な意味を持つ、緑膿菌への一般的な蓄積傾向を発見することができた。これらの傾向は、後ろ向き解析による抗生物質の例によって確認され、次に、これらの発見を適用することでグラム陽性細菌のみに有効な抗生物質であるフシジン酸の活性スペクトラムが拡大されて、緑膿菌に対する抗菌活性の劇的な改善を示すフシジン酸誘導体が得られた。我々は、これらの発見が、高浸透性の抗緑膿菌薬の設計と開発を促進すると期待する。

