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神経科学:口腔と内臓から脳幹へのフィードバックによる食欲の逐次的抑制
Nature 624, 7990 doi: 10.1038/s41586-023-06758-2
摂食の終了は、尾側脳幹にある複数の専用神経回路によって制御されている。ここでカギとなる問題は、これらの回路がどのようにして摂食中に生じる感覚信号を行動の動的制御に変換させるかを解明することである。尾側孤束核(cNTS)は、脳内において摂食関連の多くの信号が最初に感知・統合される部位だが、cNTSが行動中に摂食フィードバックをどのように処理しているかは分かっていない。今回我々は、マウスで、cNTSの2つの主要な細胞タイプであり、非嫌悪的な満腹を促すプロラクチン放出ホルモン(PRLH)ニューロンとグルカゴン(GCG)ニューロンが、摂食中にどのように調節されているかを明らかにする。PRLHニューロンは、胃に栄養物が注入されると内臓フィードバックによって持続的活性化を示すが、こうした持続的応答は口腔内消費の間は著しく減弱していた。代わりに、PRLHニューロンは、摂食に時間的に固定されて食物の味に結び付いた一過的な活動パターンへと移行した。光遺伝学的な操作によって、PRLHニューロンが秒の時間スケールの摂食バーストの持続時間を制御することが分かり、口腔感覚信号のフィードバックが摂食のペースを制限する機構の存在が示された。対照的に、GCGニューロンは腸管からの機械的フィードバックにより活性化され、食物の消費量を追跡し、数十分間続く満腹状態を促進した。これらの知見は、口と腸からの順を追った負のフィードバック信号が尾部脳幹の別個の回路に働き、これが次いで、短期および長期の時間スケールで作動する摂食行動の要素を制御することを示している。

