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ナノスケール材料:単層グラフェンにおけるナノ細孔のサイズ分布のカスケード圧縮
Nature 623, 7989 doi: 10.1038/s41586-023-06689-y
ナノメートルスケールの細孔、原子レベルの薄さ、優れた機械的特性を持つ単層グラフェンは、イオンや分子の分離、エネルギー貯蔵、エレクトロニクスにおける応用に幅広い可能性をもたらす。こうした応用における性能は、ナノ細孔のサイズに強く依存するので、サイズ分布が狭い適切なナノ細孔サイズを精密に設計・操作することが望ましい。しかし、従来のトップダウン型の工程では、特にサブナノメートルのスケールにおいて、長い裾を引く対数正規分布になることが多い。さらに、ナノ細孔のサイズ分布と密度は、本質的に相互に関連していることが多いので、分布と密度の間でトレードオフが生じ、ナノ細孔の応用が大きく制限される。今回我々は、圧縮サイクルごとにナノ細孔の密度を常に増加させつつ、ナノ細孔のサイズ分布を狭めて左歪度を示し裾偏差の極めて小さい分布にするという、カスケード圧縮方式について報告する。ナノ細孔の形成は多くの小さい段階に分割され、各段階では、既存の全てのナノ細孔のサイズ分布が、縮小と拡大の組み合わせによって圧縮され、拡大と同時に新しいナノ細孔のバッチが生成されることで、サイクルごとにナノ細孔の密度が増加する。その結果、左歪度を示し裾の短いサイズ分布を持つ、単層グラフェンの高密度ナノ細孔が得られた。これは、イオンや分子の超高速かつオングストロームサイズで調整可能な選択的輸送を示しており、従来の対数正規サイズ分布の限界を破っている。この方法によって、密度、平均直径、標準偏差、サイズ分布の歪度など、生成されたナノ細孔のいくつかの指標の独立制御が可能になり、ナノテクノロジーにおける新たな飛躍につながると思われる。

