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電気化学:耐空気性レドックスフロー電池向けの会合性ピリジニウム電解質
Nature 623, 7989 doi: 10.1038/s41586-023-06664-7
ピリジニウム電解質は、フロー電池を用いたエネルギー貯蔵に有望な候補である。しかし、その充放電過程と全体的なサイクル安定性の両方の根底にある機構は、まだほとんど分かっていない。今回我々は、代表的なフロー電池条件下でピリジニウム電解質の酸化還元挙動を調べ、こうした電解質を含む電池の耐空気性に関する知見を与えるとともに、その可逆性の普遍的な物理化学的記述子を提示する。我々は、広範囲のビスピリジニウム化合物の合成ライブラリーを利用して、それらの性能を幅広い電位にわたって追跡し、一重項–三重項自由エネルギーギャップが、これまで特定されていなかった容量低下機構の始まりをうまく予測する記述子であることを突き止めた。我々は、オペランド核磁気共鳴分光法とオペランド電子常磁性共鳴分光法を組み合わせて用いて、こうした電解質の酸化還元挙動を説明し、2つの別個の電気化学性能領域(狭エネルギーギャップと広エネルギーギャップ)の存在を明らかにする。我々は、両方の領域において、容量低下とフリーラジカル種形成を関連付け、さらにπ二量化が、こうしたラジカルと溶存酸素などの微量不純物の間の反応性を抑制する決定的な役割を果たすことを示す。今回の知見は、レドックスフロー電池におけるπ二量体の役割にまつわる一般的な見解とは正反対であり、空気に長期間(数日間)さらされた場合であっても酸素由来の容量低下を効率的に軽減することを可能にする。こうした洞察によって、還元種の反応性が分子内や分子間でのフリーラジカル対形成の傾向によって調節されて空気中での動作を可能にする、という新しい電解質系への道が開かれる。

