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生態学:壊滅的な熱帯低気圧に対する大型哺乳類の形質に基づく感受性

Nature 623, 7988 doi: 10.1038/s41586-023-06722-0

極端な気象事象は生態系を揺るがし、生物多様性をますます脅かしている。生態学者はそうした事象の影響の予測や緩和の必要性を強調しているが、それにはさまざまな種や環境の間でリスクがどのように割り当てられるのかについて知ることが必要である。しかし、極端な事象の規模と予測不可能性によってリスク評価が複雑になっており、これは特に、生態学的に重要で重大な絶滅の危機にさらされているが、生息域が広範でモニタリングが困難である大型の動物(大型動物相)で顕著である。自然災害に対する動物の脆弱性は、体サイズや分散能力、生息場所の属性などの形質により決まると考えられている。しかしながら、そうした仮説の検証、より一般的には、気象に関連する撹乱の短期と長期の生態学的影響を結び付けることは、これまでほとんど行うことができなかった。今回我々は、アフリカの観測史上最も被害の大きい嵐であった非常に強い熱帯低気圧「イダイ(Idai)」に対して、モザンビークの大型草食動物と大型肉食動物がどのように反応したかを、上陸後数時間の個体の意思決定から2年近くを経た群集における構成の変化まで、さまざまなスケールで明らかにする。動物は、洪水の水位上昇に対して、高い場所へ移動して食物を変えるという行動反応を示した。体サイズおよび生息場所の属性はそれぞれ独立して個体群レベルの影響を予測し、最も小さい草食動物や最も低地に生息する草食動物の5種は熱帯低気圧の上陸後20カ月で個体数が平均28%減少した一方、最も大きい動物や最も高地に生息する動物の4種の個体数は平均26%増加した。体の小さい種の感受性は移動性の限界と生理学的制約に起因し、これによって洪水を避ける能力や、その後の食物の量と質の低下に耐える能力が制限されたと見られる。今回の結果は、深刻な気象に対する動物の反応を支配する一般的な形質が明らかにしており、不安定な気候における野生生物保全の取り組みに情報を与える一助となるだろう。

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