エネルギー材料:全固体リチウム電池の界面設計
Nature 623, 7988 doi: 10.1038/s41586-023-06653-w
高エネルギー全固体リチウム金属電池を低い拘束圧で動作させることは、LiアノードではLiデンドライトが成長し、カソードでは界面抵抗が高いため、困難である。今回我々は、Li/Li6PS5Cl界面におけるMg16Bi84中間層を設計してLiデンドライトの成長を抑制し、LiNi0.8Mn0.1Co0.1O2(NMC811)カソード上のFリッチ中間層を設計して界面抵抗を低減した。Li析出–溶解サイクル中に、MgがMg16Bi84中間層からLiアノードに移動することで、Mg16Bi84は多機能LiMgSx–Li3Bi–LiMg構造へと変換され、この構造の各層が、それぞれ固体電解質中間相、多孔性Li3Biサブ層、(多孔性Li3BiをLiアノード上に接着する)固体バインダーとして機能する。Li3Biサブ層はイオン伝導率/電子伝導率比が高いため、Liは、Liアノード表面のみに析出して多孔性Li3Biサブ層内に成長することが可能になり、圧力(応力)変化が改善される。Fリッチ中間層を備えたNMC811は、Fアニオンが4.3 Vという高電位でNMC811内へと電気化学的に移動するため、FドープNMC811カソードに変換されて、カソードを安定化させる。今回のアノード中間層とカソード中間層の設計によって、NMC811/Li6PS5Cl/Liセルが2.55 mA cm−2で7.2 mAh cm−2の容量を、また、LiNiO2/Li6PS5Cl/Liセルが2.5 MPaという低い拘束圧において310 Wh kg−1のセルレベルエネルギー密度で11.1 mAh cm−2の容量を実現できた。今回のMg16Bi84アノード中間層とFリッチカソード中間層によって、全固体リチウム金属電池の低拘束圧での高エネルギーおよび高速充電能力を実現する、一般的な解決策が得られる。

