Article
免疫学:関節リウマチの滑膜の詳細な解明により炎症のサブタイプが明らかになる
Nature 623, 7987 doi: 10.1038/s41586-023-06708-y
関節リウマチは、関節の炎症や破壊が引き起こされる典型的な自己免疫疾患である。今のところ関節リウマチは治癒できず、治療の有効性は患者によってさまざまであることから、その病因には明らかになっていない多様性があることが示唆される。今回我々は、この病因の不均一性を特徴付ける細胞の状態や経路を解明するために、関節リウマチ患者の炎症滑膜において、全範囲の細胞のプロファイリングを行った。79人のドナーの滑膜組織の組織学的特性と共に、多モードの単一細胞遺伝子発現データと細胞表面タンパク質発現データを統合して、関節リウマチ滑膜組織の単一細胞アトラスを構築した(31万4000細胞以上)。滑膜組織は、選択的に増加した細胞状態によって特徴付けられる、「細胞種存在量表現型(CTAP)」と名付けた6つのグループに層別化された。これらのCTAPは、T細胞およびB細胞が豊富に存在する試料からリンパ球がほとんど存在しない試料まで、関節リウマチにおける滑膜炎症の多様性を示している。疾患に関連する細胞状態、サイトカイン、リスク遺伝子、組織学的性質、血清学的性質の評価基準は、特定のCTAPと関連している。CTAPは動的であり、治療応答を予測できるため、関節リウマチの滑膜表現型を分類する臨床的有用性が明らかになった。この関節リウマチ滑膜組織についての包括的なアトラスと滑膜組織の状態による分子的層別化により、関節リウマチの病態と不均一性についての新たな手掛かりが明らかになり、これによって新たな標的治療法の情報が得られる可能性がある。

