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神経疾患:CAGリピートRNA中のm1AはTDP-43に結合して神経変性を誘導する
Nature 623, 7987 doi: 10.1038/s41586-023-06701-5
遺伝子内のマイクロサテライトリピート(反復配列)の伸長は、多数の神経疾患に関与している。リピートを持つ毒性のあるタンパク質やRNA分子の蓄積、および/または、伸長したリピートを含むRNA分子によるRNA結合タンパク質の隔離は、疾患原因の重要な要因と考えられている。本論文で我々は、CAGリピートRNA中のアデノシンは、TRMT61AによりN1-メチルアデノシン(m1A)へとメチル化され得ること、そして、m1AはALKBH3により脱メチル化され得ることを示す。また、CAGリピートRNA中のm1A/アデノシン比は、リピートの長さに伴って増加することが観測され、これは、リピートRNAによって誘導されるALKBH3の発現低下が原因と考えられる。さらに、TDP-43はRNA中のm1Aに直接かつ強力に結合して、TDP-43の異常な細胞質局在とゲル様凝集体の形成を促し、これは神経疾患におけるTDP-43タンパク質の観察結果と類似している。また、CAGリピートRNA中のm1Aは、線虫の一種Caenorhabditis elegansやショウジョウバエ(Drosophila)でCAGリピートの伸長が誘導する神経変性に関与した。まとめると、本研究は、ヌクレオチドリピートの伸長が神経疾患に関与する機構について新たなパラダイムを提示し、RNA中のm1Aの新規の病理学的機能を明らかにしている。これらの知見は、CAGリピートの伸長によって生じる神経変性疾患の治療介入に対する重要な機構基盤となり得る。

