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がん:糖ヌクレオチド除去の中断はがん細胞の治療に対する脆弱性となる
Nature 623, 7987 doi: 10.1038/s41586-023-06676-3
がん細胞の生存には特に必要だが正常細胞ではなくても済む代謝段階を見つけ出すのは、いまだ難問である。今回我々は、がん細胞では有効利用されているが、正常細胞には限定的な影響しか与えない、糖ヌクレオチド生合成経路中の治療脆弱性を明らかにした。条件的に不可欠な代謝酵素を系統立てて調べたところ、1つの糖ヌクレオチド(UDPグルクロン酸:UDPGA)を別の糖ヌクレオチド(UDP-キシロース)に変換するゴルジ体酵素UXS1は、この酵素のすぐ上流に位置する酵素UGDHを高レベルに発現している細胞でだけ不可欠であることが分かった。このような条件的関係性が存在するのは、UGDHによって作られるUDPGAが過剰に蓄積するのを防ぐためにUSX1が必要だからである。UXS1はUDPGAを除去するだけでなく、UGDHに対する負のフィードバックを介してUDPGAの産生も抑制する。過剰なUDPGAがゴルジ体の形態と機能を破壊すると、EGFRのような細胞表面受容体の細胞膜へのトラフィッキングが妨げられ、細胞のシグナル伝達能力が低下する。肺腺がんなどの数種類のがんではUGDHの発現が増加しており、化学療法抵抗性が選択される間に発現がさらに亢進する。その結果、これらのがん細胞はUDPGAの無毒化に関してUXS1に選択的に依存しており、これが、UGDHが高レベルに存在している腫瘍の弱点である可能性が明らかになった。

