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進化学:棘皮動物の成体における前後パターン形成の分子的証拠
Nature 623, 7987 doi: 10.1038/s41586-023-06669-2
棘皮動物の五放射相称のボディープランが左右相称の祖先から生じたことは、動物学における最も永続的な謎の1つである。棘皮動物は形態的新規性によって定義されているため、左右相称動物の近縁種との比較は、最も基本的な軸に関するものであっても容易ではない。この古典的な問題を再考するため、今回我々は、保存された前後軸分子マーカーを用いて、棘皮動物の成体の高度に派生的なボディープランが、その根底にある、他の新口動物とのパターン形成の類似性を隠しているかどうか検討した。我々は、イトマキヒトデ属のヒトデPatiria miniataで、RNAトモグラフィーとin situハイブリダイゼーションを用い、新口動物および他の左右相称動物の前後極性の確立における役割が十分に解明されている一連の保存された転写因子について、その発現を調べた。その結果、P. Miniataの歩帯外胚葉におけるこれらのマーカーの相対的空間発現に他の新口動物との類似性が認められ、各腕の正中線が最前部領域であって、最側部はそれよりも後部の特徴を示していることが分かった。注目すべきことに、このヒトデの外胚葉領域には、左右相称動物の胴部に特有の遺伝的なパターン形成プログラムを発現する部分が存在しなかった。この知見は、外胚葉のパターン形成の観点から言えば、棘皮動物が主に頭部様の動物であることを示唆しており、棘皮動物の成体の派生的なボディープランの進化を導いた事象を再評価する発生学的な根拠を提示している。

