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量子物理学:宇宙空間における量子ガス混合体と2種原子干渉
Nature 623, 7987 doi: 10.1038/s41586-023-06645-w
小型装置において極低温の原子温度に到達する能力は、最近では宇宙空間にまで広がっている。極低温では量子効果が増幅されるが、その一方で自由落下によって、さらなる冷却や、量子論的記述の及ばない最後の力である重力とのより長い相互作用時間が可能になる。地上では、こうした装置によって、ボース・アインシュタイン凝縮体(BEC)、超流動、強く相互作用する量子気体などの巨視的量子現象が生み出されている。2種類の極低温原子同位体の重ね合わせを干渉させる地上の量子センサーによって、アインシュタインの古典重力理論の中核的な考え方である自由落下の普遍性(UFF)が10−12のレベルで検証されている。宇宙空間では、強い相互作用の豊かな物理の探求や、UFFの量子検証の実行に必要な元素の冷却は、依然として困難であった。今回我々は、国際宇宙ステーション(ISS)に搭載されたマルチユーザーCold Atom Lab(CAL)装置の改良型ハードウエアを用いて、我々の知る限り初めて宇宙空間で87Rbと41Kでできた2種BECを同時生成し、原子種間相互作用を観測するとともに、39K極低温ガスを生成したことを報告する。我々はさらに、同時に印加されたブラッグパルスのラビ速度が等しくなる「魔法波長」で単一レーザーを動作させて、2原子種(87Rbと41K)を用いた同時原子干渉を宇宙空間で初めて実証した。今回の結果は、宇宙空間でのUFFの量子検証に向けた重要な一歩であり、重力による非対称な摂動を受けない新たな領域における少数多体物理学、量子化学、基礎物理学のさまざまな側面の研究を可能にするものである。

