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気候科学:より清浄な大気によって駆動されるアジア高山域の降水レジームの変化
Nature 623, 7987 doi: 10.1038/s41586-023-06619-y
アジア高山域(HMA)は、最近数十年間水資源が空間的に不均衡になっており、その原因の一部は、南部の乾燥化–北部の湿潤化として知られる降水変化のダイポールパターンである。こうした変化は、人間活動と内部的な気候変動の両方の影響を受け得る。気候予測では、HMA全域の将来的な広範な湿潤化傾向が示されているが、ダイポールパターンからモノポールパターンへの移行の時期と機構はまだよく分かっていない。本論文で我々は、HMAで観測されている夏季のダイポール型の降水変化は主に、偏西風とモンスーンに関連した降水パターンによって駆動されていることを示す。人為起源のエアロゾルの不均一な排出によって生じたアジアの偏西風ジェットの弱化は、1951〜2020年の降水のダイポール的傾向に有利に働いた。さらに、太平洋数十年規模振動(IPO)の位相の遷移によって、南アジアモンスーンの中核地域とHMA東南部の降水に位相がずれる変化が生じた。現在と比べて0.6~1.1°Cの地球温暖化に相当する中程度または高い排出量のシナリオの下では、2040年代にダイポールパターンがモノポールの湿潤化傾向に変化すると予想された。降水パターンのこの変化は主に、人為起源のエアロゾル排出量の削減の結果としてジェット気流が強化されることに起因する。今回の知見は、政策立案者による将来の社会的計画においてエアロゾル排出量削減の影響を考慮することの重要性を浮き彫りにしている。

