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微生物学:バクテリオファージはRNAを基盤とする抗CRISPRを用いてCRISPR–Cas免疫を抑制する
Nature 623, 7987 doi: 10.1038/s41586-023-06612-5
多くの細菌は、CRISPR–Cas系を用いて、バクテリオファージやプラスミドなどの可動性遺伝因子と戦う。逆に、これらの侵入因子は、宿主免疫を阻止するために抗CRISPRタンパク質を進化させてきた。今回我々は、小分子ノンコーディングRNA抗CRISPR(Racr:small non-coding RNA anti-CRISPR)を基盤とする、異なるタイプのCRISPR–Cas抑制戦略を明らかにする。Racrは、CRISPRアレイに見られるリピート(反復配列)を模倣していて、ウイルスゲノムではSRU(solitary repeat unit)としてコードされている。プロファージがコードするRacrは、Cas6fやCas7fと特異的に相互作用することで、I-F型CRISPR–Cas系を強力に抑制し、その結果、異常なCasサブ複合体が形成されることが分かった。また、さまざまなウイルスやプラスミドがコードするほぼ全てのタイプのCRISPR–Cas系についてRacrの候補が見つかり、これらは多くの場合、他の抗CRISPR遺伝子群の近傍にコードされていた。2つのCRISPR–Casクラスにまたがる9つの候補に対する機能的解析で、これらは強力な免疫抑制機能を持つことが確認された。我々の結果は、CRISPRリピートの分子模倣が広範な抗CRISPR戦略であることを実証しており、これは生物工学への応用の可能性の扉を開く。

