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細胞生物学:コンデンシン機能不全はマウスにおいて生殖的隔離を維持する障壁となる

Nature 623, 7986 doi: 10.1038/s41586-023-06700-6

2つの集団のゲノムに異種交配を防ぐ遺伝的不和合性が蓄積すると、生殖的隔離が起こる。細胞生物学的レベルでの雑種不和合性の理解は、特に雑種の雌が不稔性の場合には限られている。今回我々は、イエハツカネズミ(Mus musculus domesticus)とアルジェリアハツカネズミ(Mus spretus)という2種のマウス間のコンデンシン制御とセントロメア構成における種分岐が、これらのF1雑種の卵母細胞において染色体の脱凝縮と誤分配を引き起こし、雌の稔性を低下させることを見いだした。雑種の卵母細胞における染色体の脱凝縮は、セントロメア周辺のメジャーサテライト(イエハツカネズミのセントロメアに非常に豊富に存在する)で特に顕著で、種特異的な染色体の誤分配と卵の異数性につながる。こうした凝縮異常と一致して、染色体構造タンパク質複合体であるコンデンシンIIの量が雑種の卵母細胞の染色体上で減少していた。さらに、コンデンシンIIサブユニットのNCAPG2が減数分裂前期の核において特異的に減少していること、また、NCAPG2を過剰発現させると脱凝縮と卵の異数性という両方の表現型が緩和されることが分かった。染色体上のコンデンシンIIの局在量の全体的な減少に加えて、メジャーサテライトではさらに局所的にコンデンシンIIレベルが低下しており、この領域が特に脱凝縮しやすい理由を説明している。総合的に今回の研究は、雌の減数分裂における雑種不和合性についての細胞生物学的レベルでの理解を深める手掛かりとなり、コンデンシン機能不全とセントロメア周辺のサテライトの拡大により、哺乳類において生殖的隔離となる障壁が確立できることを実証している。

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