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物性物理学:パイロクロア型金属CaNi2における三次元平坦バンド

Nature 623, 7986 doi: 10.1038/s41586-023-06640-1

電子平坦バンド材料には、運動エネルギーの消失を特徴とする量子状態が存在する。こうした平坦バンドは、電子相関効果の増強や物質の量子相の創発につながることが多い。かねてから理論モデルで研究されてきたこうした系は、ファンデルワールスヘテロ構造や擬二次元(2D)結晶材料で実験的に実現されて以来、改めて注目されている。実験面での未解決の疑問の1つは、こうした平坦バンドが三次元(3D)ネットワークで実現できるかどうかであり、新しい材料プラットフォームや現象が実現できる可能性がある。今回我々は、C15型ラーベス相金属CaNi2について調べた。この金属は、電子ホッピングの3D相殺的干渉から生じる二重縮退したトポロジカルな平坦バンドを持つことがモデルネットワークレベルで予測されている、ニッケルのパイロクロア格子を含む。我々は、角度分解光電子分光法を用いて、3Dブリルアンゾーン全体にわたって分散が消失しているバンドを観測し、これがパイロクロア平坦バンドであると特定するとともに、さらに2つの平坦バンドも観測し、これらがNiのd電子の多軌道干渉に起因することを示す。さらに我々は、平坦バンド多様体のフェルミ準位への化学的な調整と同時に、電子相関が増強され、超伝導が出現することを実証する。本質的なバンド平坦性の概念を2Dから3Dに拡張することで、調整可能なトポロジカル相から分数化相まで、より高次元の平坦バンド系で予測されている相関挙動への道筋が得られる可能性がある。

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