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天文学:銀河系外縁部に存在するリンを含む分子POとPN

Nature 623, 7986 doi: 10.1038/s41586-023-06616-1

リン(P)は、惑星形成や生物に重要であるにもかかわらず、これまで銀河系の内側12 kpcの範囲にしか見つかっていない。この元素の研究が妨げられている理由の1つは、好ましくない原子遷移である。リンは大質量星における29Siと30Siの中性子捕獲によって生成され、II型超新星爆発によって星間物質中に放出されると考えられている。しかし、観測される存在度と一致させるには、銀河の化学進化モデルは、超新星による生成量を任意に増加させなければならない。本論文で我々は、POとPNのミリメートル波長のスペクトルによる、銀河系外縁部における気相のリンの検出について報告する。これらの分子の回転線が、銀河系中心から22.6 kpcに位置する高密度のガス雲WB89-621に観測された。WB89-621におけるPOとPNの存在度は、太陽系近傍の値と同程度である。超新星は銀河系外縁部に存在しないことから、超新星噴出物がハローや銀河周辺物質を貫いて再分配される「銀河噴水」のような、他のリン生成源が示唆される。しかし、そのような遠方に、噴水に富んだガス雲は見つかっていない。マゼラン雲などの銀河系外のリン生成源はいずれも、金属を豊富に含むとは考えにくい。むしろリンは、銀河系外縁部に存在するより低質量の漸近巨星分枝星における中性子捕獲過程によって生成されている可能性がある。漸近巨星分枝星は炭素も生成し、これによって、外挿される金属度の勾配が平坦化され、WB89-621における炭素含有分子の高い存在度が説明される。

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