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化学:ヘリウム液滴におけるイオン溶媒和の初期段階の観測

Nature 623, 7986 doi: 10.1038/s41586-023-06593-5

溶媒和は、自然科学において普遍的な現象である。巨視的レベルでは、溶媒和は、熱力学や化学反応速度論を通して十分理解されている。原子レベルでは、溶媒和の初期段階は、溶質の分子やイオンに、溶媒の個々の分子や原子が引き寄せられて結合することである。しかし、こうした段階がリアルタイムで観測されたことはない。今回我々は、液体ヘリウムナノ液滴の表面に1個のナトリウムイオンを瞬時に形成し、ナトリウムイオンに逐次的に結合する溶媒原子の数を時間の関数として測定した。その結果、最初の5個のヘリウム原子の結合ダイナミクスが、2.0原子毎ピコ秒の結合速度のポアソン過程によってうまく記述されることが見いだされた。この速度は、溶媒和過程の時間依存密度汎関数理論シミュレーションの結果と一致する。さらに、今回の測定によって、ナトリウムイオンの周囲の領域から除去されるエネルギーを時間の関数として推定することが可能になり、全溶媒和エネルギーの半分が4ピコ秒後に散逸することが明らかになった。今回の実験方法は、イオン溶媒和の理論モデルのベンチマーキングや陽イオン–分子錯体形成の時間分解測定の可能性を開くものである。

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